|
中村真一郎が「蜜のあわれ」を世界文学の中に据えて高く評価したように川端康成が犀星を「言語表現の妖魔」と呼んだようにそして、芥川龍之介はその感性に羨望したように犀星の小説は自由と変化に富んでいる
目次
序 犀星にとって小説とは何か
第1章 初期小説を巡る諸問題
喪失、疎外される境遇との格闘ー初期小説、「幼年時代」論
結婚生活の幻想と妄想ー「結婚者の手記」・「愛猫抄」・「香爐を盗む」
第2章 市井鬼ものの世界
市井鬼ものの成長とその限界ー「貴族」・「あにいもうと」とその前後
「暫定的」な「復讐」ー「女の図」をめぐって
第3章 戦時下の生活と姿勢
戦時下の犀星ー資質と姿勢
甚吉ものの頃ー生命への慈しみ
王朝ものの初期作品における女性像の形象をめぐってー「荻吹く風」・「あやの君」・「津の国人」
無償の愛のパラドックスー「春菜野」論
「選び抜いた美しさや善良さ」の世界ー「山吹」論
第4章 犀星の戦後小説
作家の宿業と養母への鎮魂ー「字を盗む男」
魚のモチーフに見る犀星の性意識ー「蜜のあわれ」から「鮠の子」へ
老境における芸術と性ー「切ない人」
第5章 犀星襍記
犀星文学における植物ー「抒情小曲集」から
犀星の刀剣
愛の詩人の異同についてー千家元麿と犀星
芸術家の友情と孤独ー芥川龍之介と犀星、そして朔太郎など
肩の作家ー円地文子と犀星
研究ノート・女の顔の描写にについてー初期王朝ものの作品から
【参考】 外国語による犀星文献
(2006・4)
|